タイトル | : コラム#1474(未公開)のポイント |
記事No | : 322 |
投稿日 | : 2007/04/22(Sun) 20:11 |
投稿者 | : 太田述正 |
コラム#1744(2007.4.22)「暮れゆく覇権国の醜聞(続x3)」のさわりの部分をご紹介しておきます。
・・ 遅ればせながらロサンゼルスタイムスが・・ウォルフォヴィッツ世銀総裁退陣要求を掲げたかと思ったら、ワシントンポストまで・・最近までブッシュ大統領の側近中の側近であったカール・ローブ(Karl Rove)、悪評さくさくの司法長官ゴンザレス(Alberto Gonzales)、元ブッシュ政権交換であった世銀総裁のウォルフォヴィッツの三名を一斉に批判するという形で、実質的な総裁退陣要求を行ったことで、英ファイナンシャルタイムス、英ガーディアンに遅れてこわごわ(?)始まった米主要プレスによる総裁退陣要求も、ようやく英米主要メディアを横断的に網羅した論調になろうとしています。 ・・ この間、総裁とリザがらみのもう一つの醜聞が浮上しました。 2003年にイラクのフセイン政権打倒語、当時の国防副長官であったウォルフォヴィッツの意向を受けて、政策担当次官のダグラス・フェイス(Douglas J. Feith)のオフィスが、契約業者に世銀職員でウォルフォヴィッツの愛人であったリザを雇って女性事情の調査にイラクに一ヶ月間派遣するよう依頼したというのです。 リザは、有給休暇をとってイラクを訪問したのですが、これは軍事占領下にある地域への世銀資金の投入を控えることとし、世銀職員のイラク訪問を禁じていた世銀の方針に違反する行為でした。 ・・ <また、>世銀内の総裁に次ぐナンバー2二人のうちの一人が18日、総裁を含む上級幹部会同の席上、総裁の退任を求めました。 世銀内は、総裁退任を求めているのが中南米、東アジア、南アジア担当部局と多数であり、総裁を擁護しているのはアフリカと中東を担当している部局くらいです。 ・・ それだけではありません。 世銀の、腐敗調査部局である制度的インテグリティー部の部長に、世銀内に設けられた推薦委員会が世界中から選び面接まで行った7名の候補を無視して、総裁が2006年1月、共和党支持者である米国の女性弁護士を正式に任命したことも問題視され始めています。 ウォルフォヴィッツは、選挙で選ばれた首長が幹部を自分の支持者達ですげ替えるという米国流のやり方をそのまま世銀に持ち込んだことで、国際機関である世銀内で強い反発を生んでいるのです。 ・・ 上記世銀上級幹部達の中で、明確にウォルフォヴィッツ総裁を擁護しているのは、米国、カナダ、日本からの出向者だけだと報じられています・・。 ・・ 出向者は当然母国の指示に従っているわけであり、米国にいいなりの日本はなさけないとしか形容のしようがありません。 それにしても、電子版を見る限り、ウォルフォヴィッツと心中するかのようなこのような日本政府の姿勢に対し、日本のメディアも野党も全く問題にしていないことは、遺憾です。
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