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タイトルコラム#1745(未公開)のポイント
記事No329
投稿日: 2007/04/23(Mon) 20:58
投稿者太田述正
 コラム#1745(2007.4.23)「地球温暖化によるパラダイムシフト(その1)」のさわりの部分をご紹介しておきます。

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 地球温暖化・・<が>深刻な問題と目されるようになったのは1980年代に入ってからでした。
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 この結果、社会や産業に大きなパラダイムシフトが起ころうとしています。
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 社会においてパラダイムシフトが起ころうとしているというのは、これまでのような個別的環境保全運動の終焉が近づいている、ということです。
 海岸のエコシステムの保全は、地球温暖化による水没を前にしては意味を失いますし、北極圏における希少動物の保護は、地球温暖化によって北極圏から氷が消滅すると言われている今ではそれどころではないということになりますし、ダム建設反対は、地球温暖化によって豪雨や大干ばつの増加が予想される以上、無責任きわまるということになるからです。
 同様、原子力発電の危険性など、火力発電所が地球温暖化を促進することに比べれば受忍すべきだということになります。
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 とにかく、炭酸ガスの排出抑制が至上命題であるということになれば、・・原子力発電の復権は当然だということになりますし、まだまだ遠い夢であるとはいえ、核融合炉の開発にも自ずから力が入りますし、ハイブリッドエンジン搭載の乗用車がもてはやされるわけですし、バイオ燃料の増産・開発に血眼になるのももっともです。
 そして、これらすべてで日本が健闘していることは心強い限りです。
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 ここでは、既に世界の農業や化石燃料関連産業にパラダイムシフトをもたらそうとしているバイオ燃料のことをご説明しましょう。
 バイオ燃料が救世主のように喧伝されているのは、植物から得られた燃料を燃やして発生する炭酸ガスは、植物が空中の炭酸ガスを太陽エネルギーを用いて光合成で取り込んだものであり、ネットで空中の炭酸ガスは増えないからです。
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 問題なのは、現時点では、バイオ燃料の原料が、米国では主としてトウモロコシと大豆、欧州では主として亜麻の種子と菜種、ブラジルではサトウキビ、東南アジアではパームヤシ油であることです。
 これらの作物を栽培したり、バイオ燃料化するためには化学肥料の投下等、炭酸ガスの放出を伴う多大なエネルギー消費が必要であり、トータルとしての炭酸ガス放出減少効果がさほど大きくないことが第一の問題点であり、これらの作物すべてが食用にも供されることから、その価格が高騰してエンゲル係数の高い貧しい人々を困らせたり、増産の過程で作付け面積を拡大させるために原生林が切り開かれて貴重な光合成源が失われたり、といった懼れがあることが第二の問題点です。

 にもかかわらず、EU・・<も>米国も、今年、2017年までに24%をバイオ燃料に置き換える目標を設定しました。
 このようにバイオ燃料用の需要の増加が見込まれることから、早くも米国等でトウモロコシや大豆の価格が高騰しており、メキシコではトウモロコシを原料とする主食のトルティーヤが値上がりして社会問題になっているほか、日本でも大豆を原料とする豆腐の値上がりが必至であると言われています・・。
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(続く)