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タイトルコラム#1754(未公開)のポイント
記事No364
投稿日: 2007/05/02(Wed) 20:16
投稿者太田述正
 コラム#1754(2007.5.2)「ブレア政権の10年(その1)」のさわりの部分をご紹介しておきます。
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 ブレア英首相が近日中に、辞任の日を明らかにする予定であることから、ガーディアンがブレア労働党政権の10年を総括する論説やコラムを次々に掲載しています。
 そのいくつかの論旨をご紹介しましょう。
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 中には辛辣な評価をしているものもないわけではありません。
 一番辛辣なのは、・・ブレアの政策は、それまで英労働党の、所得税増税、労働組合の権利の回復、電気水道等の再国有化、国民医療制度(NIS)の公営の維持、核軍縮の追求、といった諸政策を擲ち、英保守党のサッチャー首相が1979年以降掲げたサッチャリズム・・を、・・口当たりのよい言葉で韜晦しつつ、その実忠実に受け継いだだけだ、と切り捨てます。
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 しかし、大部分の論説やコラムはブレアを称賛しています。

 まず、内政面から。
 <ある>論説は、ブレアには独自のイデオロギーがなく、サッチャリズムという借り物のイデオロギーをごまかして蹈襲しただけだ、という類の批判に対し、それこそ、ブレア政権の強みだ、と切り返します。
 ブレアは、イデオロギーなどくそくらえの、洞察力ある実用主義者(visionary pragmatist)であり、・・このブレア主義の10年の結果、英国は豊かになり、その豊かさが国民の間で相応に分配もされ、にもかかわらず、英国のグローバルな競争力は損なわれなかったし、英国は、活力ある市場経済と充実した福祉国家、経済的自由と社会的保護、をそれぞれ両立させながら確保することができた、というのです。
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 次に対外政策面です。
 <ある>コラムニスト・・は、対外政策面でのブレア主義は、グローバリゼーションの進展に伴う世界の各国や各地域の相互依存性の高まり、国際コミュニティーの成立、その論理的帰結としての対外政策と内政の一体化、を踏まえたところの、自由と平和の確保をめざす自由主義的介入主義(liberal interventionism)であると指摘します。
 この自由主義的介入主義の考え方に立って、ブレアは、英国内の左翼の反対にもかかわらず、米国政府との提携関係を深め、英国内の右翼の反対にもかかわらず、EUへのコミットメントを深めた結果、ブッシュ米政権の暴走をそれなりにチェックする役割を果たすことができたし、英国を事実上EUの盟主の地位につけることにも成功した、というわけです。
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(続く)
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<太田>
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