太田様 2007.5.22
私は1965年に初めてニューヨークに駐在し、2度の駐在を経て引退後もニューヨークに居住、在米生活が延べ35年超になる者です。
最近マグマグなる物を覗き太田さんに遭遇し、欧米の新聞雑誌を幅広く購読し、誠実に翻訳されている事に好感を覚えました。レッテルを張り易い日本の論客に比べ、太田さんに貼る適当なレッテルが見つけ難いのも特徴です(褒め言葉の心算です)。嫌米好欧、中韓敏感症や引用文の解説に若干権威主義とぺダンテイズムが見えるのが日本人のインテリである証左かもしれません。
「声高な主張」より「説得」型の論議の進め方も好感が持てます。適当な訳語も見当たらない「アドヴォカシー」の伝統の無い日本では珍しい現象です。私自身は60年安保の影響が未だに消えず、筵旗を掲げ声高に叫ぶ癖があり、恥じています。太田さんに学ばなければなりません。
太田さんの信仰に近い「アングロサクソン論」を別にすると、主張が判り易いので助かります。太田さんが防衛庁の幹部であった事を知り、「嫌米、好欧、中韓過敏症」が何処から来たのか益々興味を持つようになりました。6月8日から2週間ほど日本に参りヒルトン・東京に宿泊いたします。その間にオフ会はありますか?一度お目にかかれると光栄です。 ニューヨークにて 北村隆司
注 : 本日のコラム(#1742 米国の特異性の補論)に接し、太田さんの英米批判はアングロサクソン(多分英語文化圏を指す言葉と理解します)特有の「慣習法」の不慣れに起因すると思い当たりました。太田さん同様日本的「成文法」で生まれ育った私も、主張としては近いものがありますが、結論の出し方は全く異なります。是非とも、故フレッド・フレンドリー教授が数年に亘って続けた有名な公開講座の最終講義シリーズ「BILL OF RIGHTS − アメリカと他文明の違い」を参照される事をお奨めします。
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