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タイトルコラム#1782(未公開)のポイント
記事No436
投稿日: 2007/05/27(Sun) 00:24
投稿者太田 述正
 コラム#1782(2007.5.27)「英国・日本・捕鯨(その2)」のさわりの部分をご紹介しておきます。
 ・・
 <次に、もう一つの記事の概要です。>

 1982年に国際捕鯨委員会で捕鯨禁止が決まり、すべての商業捕鯨が1986年に終わることとなった。
 これは環境保護団体の全面的勝利と言ってよかったが、現在、・・日本<は>、科学的調査と称して捕鯨を行っている。
 一体どうしてそんなことになってしまったのか。

 日本は、絶滅に瀕していない鯨種まで捕鯨が禁止されたことに怒りを募らせていた。
 そもそも、かつて日本よりはるかに大量の捕鯨を行ってきた英国や米国から、日本が鯨を絶滅に追いやろうとしていると非難されてきたことに、日本は割り切れない思いを抱いていた。
 そこで日本は、ノルウェー、ペルー、ソ連とともに、捕鯨禁止の適用除外を宣言した。
 これは国際捕鯨委員会加盟国の権利として認められていたことだった。・・

 しかし、日本にとって不幸なことに時期が悪過ぎた。
 先の大戦において叩きつぶした日本が、経済大国となって米国を脅かし始めたことに対する反発が米国で強まっていたのだ。

 このムードに乗ずる形で、米国の環境保護団体は、米国民、米国の政治家達、そしてレーガン政権に働きかけ、日本に対して捕鯨を止めるように圧力をかけさせようとした。
 当時、米国には、国際的な環境保全協定を遵守しないとみなした国の米国の経済水域内での漁獲割り当てを減らすことができることとした法律・・と、好ましからざる国に対して経済制裁を科することができることとした法律・・があった。
 ・・
 1984年末には、環境保護団体が連合して、レーガン政権に、上記2法律を日本に対して発動するように求める訴訟を提起した。
 しかし、レーガン政権はこの訴訟を無視して日本政府と交渉し、日本は上記適用除外宣言を撤回し、1988年に捕鯨を止め、米国は上記2法律を日本に対して発動しない、というラインで両国は合意した。
 ・・
 <こうして>日本は上記適用除外宣言を撤回した。
 この時点では、日本は本当に捕鯨を止めるつもりであったと思われる。

 ところが、米国の漁業者達は、環境保護団体等と一緒に、日本の漁法がネズミイルカ、アザラシ、鳥に危害を加えているとして、米国の経済水域から日本の漁船を閉め出すよう求めて訴訟を提起した。
 米国政府は、日本の漁獲割り当てを1985年の90万トンから、・・1988年には割り当てをゼロにした。
 日本政府や日本の漁業者達は、米国にだまされたと怒り狂った。

 数ヶ月も経たないうちに、日本は、科学的調査のための捕鯨を始めると宣言した。
 そして、彼らは、米国と英国にぶったたかれ続けてきたけれど、正義は自分達の側にあるとし、絶対に白旗を掲げることなく頑張ることを心に誓ったのだ。
 どうやら、環境保護団体はやり過ぎて、日本を心底怒らせてしまい、一旦捕鯨をあきらめた日本にUターンをさせてしまった、というのが真相のようだ。

 <私のコメントです。>

 以前確か、捕鯨問題での対米抵抗こそ、意識するとせざるとにかかわらず、日本が米国の保護国的な国の在り方からの脱却を期して行った最初の動きである、と申し上げたことがあるはずです。
 この記事を読んで、皆さんもこの私の指摘はもっともだと思われたのではないでしょうか。

 <私の総括的コメントです。>

 このBBCの二つの記事は、米国のメディアならぬ英国のメディアだからこそ書けたと私は思います。
 だから私は英国が好きなのです。

(完)

タイトルそれは見当違い
記事No437
投稿日: 2007/05/27(Sun) 05:49
投稿者赤いハンカチ
>日本政府や日本の漁業者達は、米国にだまされたと怒り狂った。

なぜならアメリカは、日本がモラトリアムに対する異議申し立てを

撤回しようがしまいがそれとは関係なく自国漁業者保護のため

「アメリカ200海里内における外国船に対する漁獲割り当てを段階的に減らして行く」

という方針を取っていたからです。

少なくとも日本政府はそのことを知っていたわけでして。

にもかかわらず「だまされた」と言って国民を煽るのはどうかと思いますね。


このあたりのことは下記国会答弁における佐竹五六氏の発言からうかがい知ることができます。

       ↓

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/109/1230/10907301230002c.html

タイトルRe: それは見当違い
記事No438
投稿日: 2007/05/27(Sun) 15:09
投稿者太田 述正
 コラム#1783をご覧下さい。

タイトルRe^2: それは見当違い
記事No442
投稿日: 2007/05/28(Mon) 08:44
投稿者赤いハンカチ
>  コラム#1783をご覧下さい。

(すみませんエラーが出るのでこちらに書き込みます)

まず「見当違い」「(日本)国民を煽るのはどうかと思いますね」と言ったのは

BBCの「米国政府は、日本の漁獲割り当てを1985年の90万トンから、・・1988年には

割り当てをゼロにした。日本政府や日本の漁業者達は、米国にだまされたと怒り狂った。」

という部分に対してです。



べつにだましたことにはならないってことです。

なぜならアメリカは「異議申し立てを撤回すればPM法を発動しない」という約束

それ自体は守ったからです。

PM法を発動しなかった、すなわち漁獲割り当てを次の年に半減して

そのまた次の年にはゼロにするといったそういったことはしなかったわけです。


そのことと「日本の漁獲割り当てを1985年の90万トンから、・・1988年には

割り当てをゼロにした」(マグナソン法を根拠に)は別問題なのです。

なぜなら漁獲割り当てを段階的に減らしていたのはべつに日本だけに対してって

いうわけではなくアメリカ200海里内に操業するすべての外国漁船に対して行われていたからです。


その2つのことをゴチャまぜにして「だまされた」と言っているので

それは見当違いと指摘したまでです。

タイトルRe^3: それは見当違い
記事No444
投稿日: 2007/05/28(Mon) 09:59
投稿者太田 述正
 それは形式論理というものです。(法匪的論理と言いたかったのですが、何と広辞苑にも「法匪」という言葉が載っていません。法学部出身者としては、驚きです。)
 PM法を発動するなということは日本の漁獲割り当てをゼロにするなということであり、米国が、マグナソン法に基づき日本の漁獲割り当てをゼロにすれば、それを「だまされた」と言わずして何なのですか。
 (私はマグナソン法等に通暁しているわけではありませんが、この法律を発動するかどうか、発動する場合に、外国へ漁獲割り当てをどれくらいにするか、また、そのうちの日本への割り当てをどれくらいにするか、或いはその際に、日本にどれくらい補償措置をとる(洋上買付をさせる等)かには、すべて米国政府の裁量が働くのではないのですか。)

タイトルRe: コラム#1782(未公開)のポイント
記事No439
投稿日: 2007/05/27(Sun) 19:10
投稿者匿名
送信ミスでしょうか?
配信先メールアドレスが一括で表示されています。

タイトルRe^2: コラム#1782(未公開)のポイント
記事No440
投稿日: 2007/05/27(Sun) 20:01
投稿者太田 述正
 Webベースで有料コラムを送ることを、必要に迫られて行っています。
 初めて、通常のメールソフトを通じてそれを行わず、直接Webから送ってみたところ、配送済みフォルダにそれが表示されず、しかも、多数の不達メールが戻ってきたので、再度、通常のメールソフトを通じた形でWeb経由で同じコラムを送りました。
 私自身は、BCCで間違いなく送ったつもりなのですが、何か、とんでもないことが起こって、皆さんに届いたコラムで、送信先メルアドが表示されてしまった、ということのようです。
 今後は、メールソフトを通じて送る方法に徹するつもりです。