タイトル | : コラム#1800(未公開)のポイント |
記事No | : 595 |
投稿日 | : 2007/06/09(Sat) 22:40 |
投稿者 | : 太田 述正 |
コラム#1800(2007.6.9)「英サウディ不祥事(その2)」のさわりの部分をご紹介しておきます。 ・・ BAEは、英国防省と「調整」しつつ、賄賂がばれないようにありとあらゆる隠蔽工作を行ってきました。 1997年に英国が、国際間の商取引における賄賂の支払いを禁じるOECDの取り決めに調印することになった時点で、BAEは、外国人エージェントへの賄賂の支払いを本社から切り離して新しい子会社にやらせることとするとともに、実際の支払いはスイスで行うことにし、そのためにジュネーブにその子会社の支店を設けました。 1999年に上記取り決めが発効すると、今度は上記子会社を、英国から、タックスヘーブンとして知られる英領バージン諸島に移しました。 ・・ また、1998年に英領バージン諸島にBAEの子会社をもう一つ設立し、同じようなことを行わせました。そして、この子会社のロンドン・スイス・ニューヨークの銀行口座を通じて賄賂をエージェントに支払いました。 ・・ BAEは、更に1999年に、サウディのアル・ヤママ取引だけを扱う第3の子会社を英領バージン諸島に設立しました。 ・・ サウディで賄賂をもらっていたエージェントは、もちろんバンダルだけではありません。BAEは、サウディの空軍司令官のナセル王子・・とその親戚や取り巻きに、無制限に買い物をさせ、航空券や休暇旅行を提供してきました。その経費総額は既に6,000万英ポンドに達しています。 この場合は、BAEは二つの旅行会社に経費を負担させる体裁をとり、それをわけの分からない経費名目で補填してきたのです。 ・・ ところがそこへ、驚天動地の事件が起こります。 2001年9月の同時多発テロです。 この事件の結果、米国がテロリストへの資金の流れを絶つために、あらゆる資金洗浄に目を光らせるようになったのです。 米国政府の強い要請を受けたため、英国は2002年に反資金洗浄措置法を導入する羽目になります。この中で、海外向けの賄賂が、たとえ海外で提供された場合であっても、刑罰をもって禁止されたのです。 ・・ (続く) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <太田> 掲示板上での軍事サークルの方々との間の連日の議論が、やや品位を欠いた流れになっています。 大変残念ですが、そろそろ店じまいをする時が来ているのかもしれません。 いずれにせよ、軍事知識の余りない方も、一度目を通されるようお奨めします。
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