タイトル | : Re: 戦闘機論争を纏めて見ました |
投稿日 | : 2007/06/14(Thu) 04:35 |
投稿者 | : バグってハニー |
JSF氏
私の要望を聞き遂げていただいて本当にありがとうございます。太田氏の算定基準の問題点が非常によくわかりました。太田氏はコラム#1806ですでに「日本は英国の6割弱しかない」と下方修正されていますが、この根拠となっている英国の数字には保管機が含まれているのでさらに下方修正する必要があるようです。
JSF氏の主張を下敷きに、私の方でもミリタリーバランスをもう少し読み込んでみたところ、ミリタリーバランスが言う戦闘用航空機(Combat aircraft)の内訳が判明したので、私は保管機抜きで計算してみたいと思います。ちなみに例によって数字は全て2002-3年版が元になっています。
まず、英国から始めます。
シーハリアー 29機
T-4/T-8 5機(*)
以上、海軍計34機
トーネード 206機
ジャギュア 46機
ハリアー 60機
ニムロッドMR-2 20機(*)
以上、空軍計332機
以上、英国計366機
対する日本は
F-1 約20機
F-2 約20機
F-15J 約130機
F-4EJ 約50機
RF-4E/EJ 約20機(*)
F-15J/DJ 約20機(*、訓練用)
T-2 約20機(*、訓練用)
以上、空自約280機
保管機を含めなくても、日本はやはり劣勢のような感じがしますが、ここで意外な伏兵の登場です。そうです。太田氏が同書で保有数の多さをバカにしたP-3Cです。英国にニムロッドを加えるのであれば、日本にもその必要があります。実際、ミリタリーバランスではP-3Cは戦闘用航空機に認定されています。
P-3C 80機
以上、海自80機
以上、日本計約360機
というわけで、この勝負引き分け。
対潜哨戒機を含めるのはおかしいというのであれば、それをそれぞれ差し引くと英国346機に対して日本約280機となり、日本は英国の約8割の戦闘用航空機を運用していることになります。2000-1年版を用いても同じような比率になるのではないでしょうか。
書いてて気付いたのですが、太田氏の著書では日本の戦闘用航空機の保有数が英国と比べて劣っていることが問題にされている一方で、日本が保有数で英国を凌駕している固定翼対潜哨戒機はバカにされているわけで、どうも英国がえこひいきされているような気がします。まあ、太田氏はもともと英国贔屓を公言して憚らない方ですが...。